スタートアップとは直接関係ないけれど、自分が医療関係の会社に所属しているので、備忘を兼ねて医療費控除の簡素化についてポイントまとめ。
激務で医療費がかさんでいるスタートアップ界隈の人にも有益かもしれませんが…。
領収書の原本提出が不要に
平成29年の、つまり平成30年1月1日提出以降に提出する確定申告における医療費控除について、簡素化が図られている。
No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|所得税|国税庁
ポイントは2つあって、
- 領収書の原本提出が不要となる
- でも5年間の保管は必要
ということだ。
従来、電子申告(e-Tax)で確定申告を行う場合は原本の提出が不要だったが、それが紙の申告にも広がった、と理解すればよい。
添付する明細
原本の提出が不要になる代わりに、明細の添付が求められる。
明細の要件は以下のように定められている。
- 医療費の額
- 診療等を受けた者の氏名
- 診療等を行った病院、診療所その他の者の名称又は氏名
- その他参考となるべき事項
と書くとなんだかややこしいが、雛形がリーフレットに記載されているので、参考にすると良い。
参考(PDF注意) リーフレット
医療通知書でもOK
上記の明細は納税者がみずから作成するわけだが、これにかえて、医療通知書の添付でも良い。
医療通知書は、
医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、市町村(特別区を含みます。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団、及び高齢者の医療に関する法律に規定する後期高齢者医療広域連合
から発行される医療費の明細を記した通知書である。
ここで留意したいのは、医療機関から任意で発行される領収一覧のようなものは、これに該当しないという点だ。
ときどき、領収書をなくしたので領収書を再発行してほしい、と医療機関に問い合わせることがある。その際、不正防止の観点から領収書は再発行されないかわりに、任意の形式で領収一覧を発行されることがある。
これについては、所得税法で定める領収書に該当しないし、今回の改正で定められている医療通知書にも当たらない。
これをもって医療費控除が認められるかどうかは、課税庁の判断によると思われるので、最寄りの税務署に問い合わせるのがベター。
おわりに
というわけで、確定申告時に原本提出が不要になったとはいえ、領収書の保存義務は継続しているので、領収書はなくさないように。