スタートアップ経営管理の覚書

スタートアップの管理部門で働く公認会計士のブログ

スタートアップこそ業務標準化に注力すべし

大企業はルールや縛りが多く仕事の進め方に制約がかかる、でもスタートアップでは自由に仕事ができる。

 

スタートアップについて自由に仕事ができるイメージを持つ人も多いけれど、自由と無法地帯は紙一重。ほとんどのスタートアップが、積極的に自由な働き方を確保しているというよりは、ルール作りが追いついていないといったほうが実態に近いだろう。

 

自由なイメージと裏腹に、スタートアップこそ、きちんと業務標準化に注力していくべきである。これは逆説的に聞こえるかもしれないけれど、スタートアップの経営リソースに制約があるからこそ、標準化することの意義が大きい。

仕事の抜け漏れ、重複をなくす

 

スタートアップでは事業の開発と成長のスピード感が大事なので、メンバー個々人の仕事の抜け漏れや重複が生じるのは可能な限り避けなければいけない。

 

しかし業務が標準化しておらず、個々人のやり方に任せていると、これを防ぐのが難しい。特に、第三者から見たときに、参照すべきスタンダードがないため、抜け漏れの有無、重複の有無を確認するのが非常に難しくなる。

 

標準化を進めて、だれでも「これがスタンダード」だとわかるようにしておくことは、面倒で遠回りな作業に見えて、結果として業務スピードを高めることになる。

 

属人化を防ぎ、代替可能性を確保する

 

少人数のスタートアップにおいては、メンバーひとりの役割や責任が会社全体に与える影響が大きい。これは、メンバーの会社へのコミットメントを高めるポジティブな要因になる一方で、仕事がブラックボックス化し、属人化するというネガティブな側面もある。

 

「この人にしかできない仕事」の存在が、時として会社の競争力の源泉となることもある(模倣困難性をもたらす)のも事実だが、あらゆる業務が「この人しかできない」という状況になるのはまずい。その人が退職、までいかなくても、たとえば体調を崩して1週間休む・・・という状況でも動きが止まってしまうことになる。

 

業務を標準化しておくことで、ピンチの時のバックアップを用意できる意義は大きい。

 

仕事の品質管理に役立つ

 

上記2つと関連することであるけれど、業務のスタンダードがない状態では、仕事の品質にばらつきが生じる。

 

対外的な業務において品質が不安定なことは、関係者との信頼構築にとってマイナスだし、対内的な業務においても、一定の品質が確保されないと、オペレーションの効率が下がり、成長スピードを阻害することになる。

 

最低限の品質確保のためにも、業務標準化は重要である。

 

おわりに

 

では、実際にどのように業務標準化を進めるかは、別の機会に・・・。

 

2017/10/6 標準化の記事を書きました。

 

 

shonancpa.hatenablog.jp